その中の1枚が夏大島みたいな?薄着物があった。試しに経糸横糸を燃やしてみるとその燃え方匂いからは正絹のようだ。先染めの織で黒地に大島調の柄が自分好みだ。身丈も身幅もちょうど良く、とても有り難いサイズだった。
しかしながら裄丈だけはやはり自分には足りない。とはいえ真夏の薄着物は見た目や着た感じからも裄が多少短めのほうが軽快だろうとも思う。だから現状のままで次週の稽古日に天気が良ければ着ていこうかと一旦衣紋掛けにかけていたのだが・・
やっぱり、ムラムラと裄出ししたい気持ちが湧いてきた。思ったら吉日すぐに手を掛けた。たとえたった1センチだけでも着たときの感じは変わるものだしと早速袖を外した。
裄丈は肩幅と袖幅を合わせた寸法(後ろ衿下背中心から袖口まで)だが、結果的になんと3センチ弱も裄丈を伸ばせた。軽く羽織ってみたが直す前とは全然着心地もみた感じも変わるから3センチってかなりすごい。
で、元々のサイズすらきちんと計っていなかったのだが、出来上がりの裄丈が70センチになってた(これはマイサイズ♡)。意外に伸ばせてたことにあらためて驚いたとかって・・元の巾をちゃんと計らないままにいやほんと適当な自分だ。
そこで元々の縫い線から計ってみると、元の裄丈は67センチ位あったってことになる。頂き着物にしてはたっぷりな作りだったわけだ。(そもそも身丈の163センチだって有り難いサイズ)
肩幅は出しすぎると不格好だから5ミリ程の伸ばし。袖幅はそれこそ最大限に巾を出したのだが、なにせ昔の反物巾は現代のと比べて狭いから袖の振りの縫い代始末もカッツカツ。
仕上げにアイロン。当て布してスチームも少し掛けてみたが危うく焦がしそうになった(笑汗)筋は完全には消えないがまあいい。
さて、頂いた夏帯は絽・紗・羅の3本だが来週合わせるなら絽か紗(羅は7月から)週間予報では28度だがどうかな?
ところで解いていてアララなこと発見。片側の袖を身頃から外していた時に補強?の小さな当て布(同じ生地)が出てきた。片側の袖だけどうして?と思いながら手を進めていたら・・
要は、元の縫い代に入っていた部分にキズが有ったから当て布を挟んで縫い付けていたということのよう。なあるほどそういうワケだったかと納得した。
当然、今回袖幅を出したらそのキズが表面に出てきたってこと。コレ放っておけばそのうち引っ掛けたり擦れたりして破れそう。だからこの当て布で裏打ちしようか迷った。黒地が重なっても脇部分だから特に見えることもないだろうとは思うが・・
てなことで、結局は細かく糸で縫って補強しておいた。当て布は一応いつかのほつれに備えて残しておこう。
まあ、こんなこともあるんだわと妙に感心してしまった。
着物を解いていて発見することってこれまでもいろいろ有った。プラス的なことマイナス的なこと意外にけっこうあるものだ。それもまたオモロイ経験。