年明け最初の稽古日、今日も北海道はシバレタ!大寒です。
今日はシルク混紡の「ウール着物」(シルクウール着物)を着ました。これもほっこりと温かい着物です。
地厚なウールにシルクのしなやかさが加わった、ウールといっても少々上質ちっく。柄のせいか絹紬に見えるらしいですよ。
ウール着物といえば通常は単衣。でも、それだと行き帰りの足元がスースー寒い(コートの長さも関係しますけど)反対に踊りの稽古中は上半身汗が流れるほど暑いんです(暖房も入って尚)
ということで、両方に都合の良い「胴抜き仕立てのウール着物」を選んだというわけです(下記に胴抜き仕立てについて書きました)胴抜き仕立てって便利な着物なんですよ。
これ、帯の両端は折り返して縫っておらず切りっぱなしというか、織ったまま糸を処理していない状態(フリンジ?ふさ?)です。これは好きずきですね。
今日の稽古に、丁度ウールの名古屋帯を締めてきた人がいまして、お太鼓のタレ先が同じくその状態。織物らしさが出て表情があるんですよね。素敵なんですそのほうが。(好みでしょうけど)
「胴抜き仕立て」のウール着物
さて、ウール着物の「胴抜き仕立て」についてですが、
普通、ウールの着物は裏地なしの「単衣仕立て」で仕立てます。が、これは裏地のある仕立て。と言っても全体に裏のある「袷(あわせ)仕立て」ではなくて、「胴抜き仕立て」になっています。
「胴抜き仕立て」とは、腰から裾、袖口などにのみ裏を付け、腰から上の胴部分は裏のない仕立て方をいいます。
は?知らない人には読むほどにややこしや?
見た通り、腰から下(裾回し)、衽(おくみ)、衿先、袖口の合計8枚の裏を掛ける(付ける)ことから「八掛け」というとか。着物用語?も知ると面白いね。
ちなみに、<胴裏>という専用の裏生地があって、写真で見ると、空いてる他の部分全体に付けるもので、それも付けると「袷仕立て」ということになる)
「胴抜き仕立て」の着物が便利なわけ
「胴抜き仕立て」着物って便利。と言われるその理由は、
- 袷から単衣に変わる(またその逆にも)中間着(合着あいぎ)として便利。(ウールに限らず)
- 八掛けがあるので袷に見える。シーンによって可能なら出来れば袷は着たくないという暑がりさんにも便利。(ウールに限らず)
- 八掛けがあることでウール着物(柄にもよる)をちょっと上質にみせる。また、紬の着物に見えるようなウール着物には昔はよくそうしたらしい。
と、こんなところでしょうか。
ウール着物に八掛けを付けるのは「上質な仕立て」とか「いい仕立て」のときって、昔聞いたことあるなぁ。。現代とはちょっと意味合いも違うのかもしれませんが。
それこそ木綿着物にも八掛けを付ける場合があったそうだし(今は聞かないけど)単衣の着物に、後から八掛けを付けるということもあったらしい。そもそもが着るものとしての知恵ですよね。