着付けの裏ワザpart3長襦袢の胸紐と衿止め道具

自然の動作の中で、着物の衿元がズレたり多少の緩みはごくごく普通のこと。とはいえ一番に目につく衿元は、可能な限りスキッとした状態を保っていたいものですよねぇ。

”ズレない衿元(ズレにくい)”をつくるには、こんな方法もあるよねということで2回に分けてページを書いていました。

part1、は長襦袢に和装ブラのことを。part2、では、長襦袢に付ける紐の位置、衣文抜き、そして仕立てのことなどについて。そして今回は、part2、の実践編としてpart3を、男性用の衿止めの使い方も合わせて書きました。

長襦袢の紐の位置と付け方~ココに付ければ衿元が決まる

胸元衿元の崩れを防ぐ方法で「胸紐」をするというのがありますよね。それは、紐を胸の上から掛け後ろへ回し交差して前へ、ウエストで締めるというもの。

確かにこれは衿元が安定する。でもギュウッときつく締め付けるわけではないけれど、私はこの圧迫感が超苦手。なので優しめに掛けるとこれが時間と共に着物の中で紐が滑り落ちてるのね。(それは胸のせいか?😅)それじゃ意味な~い。

それならpart1、の方法がずっと良くてね、ただ慣れないとちょっと手間取るの。まぁ何にしても慣れや好みの問題ってことなのですが。

今回は、長襦袢の胸にかかる位置に紐を付けるということです。part2、で紐の位置のことを書いていましたが、あれより少し位置を高くしてますが半衿付けに邪魔しません
(長襦袢がシワっぽくて失礼しますが・・😅)

一度自分で羽織って紐を付ける丁度いい位置を決め↓この点線のとおりに縫い付けました。紐の巾は少し広めの方が胸には優しいし、胸やウエストの補整代わりにもなるのね。

縫い付けるのは襦袢地側じゃなくて衿側の端ギリギリ(襦袢地を傷めないためにも)に。また、紐の重なりでゴロゴロしないようにと考えて写真のようにしたのです(サラシで作った紐は滑らずイイ感じです)
長襦袢を着るとこうなります↓右身頃の紐を左の身八つ口から出し後ろへ。左身頃の紐は右脇から後ろへと。子供の着物や浴衣には位置こそ違えど、こうやって紐を付けて着ますよね?それです。
それぞれ後ろへ回した紐を衣文抜きに交差し通し、前で結ぶとこうです。前では、私は結ばずに2回からげて余りを交差し挟みます。
画像の衣文抜きは巾広ゴムをずらして付けてますけど、いつからか衣文抜きは使わなくなりました。他の襦袢の衣文抜きもそう。

衣文抜きを使用しなければ、紐はこんなふうになりますよ。
ハイ、半衿を付けました。紐は半衿付けの邪魔にもなりません。衿がプカプカ浮かずまさに ”胸紐”と”襦袢の上からブラ”の、良いとこ取りのワザ。

驚き!男性用「衿止め」の意外な安定力

男性用グッズにこんな簡単で便利なアイテムがあったなんて、勿体ないことしてたわ!って思いました。これ、一昨年に買っていたのに引き出しに仕舞ったまま忘れていたという・・(仕舞うと忘れるこのごろ)

”衿止め”とか”衿合わせ止め”といわれてる、アメリカピンを二つ重ねたようなZ形のピン。

その使い方は、まずこの辺かなぁと確認しつつ、自分から見て左の、衿裏側で縫い目と縫い目の間にピンを刺し込む(半衿じゃなくて襦袢の本衿の方ね)
で、画像のように↓今度は右の衿表側から同じように刺し仕込む。衿に差し込む左右の順番はどっちでも、自分がやり易い方からでいいのです。
試しに、長襦袢の紐をしないで衿止めだけにしてみると、まぁなんと、素晴しい安定感じゃないですか!これはいいですねぇ😊胸紐、いらなくなりますねこれは。

この長襦袢じゃなくて、紐位置の変えてない長襦袢や筒袖の半襦袢や二部式、替え衿(付け衿とかうそつき衿とか言われてるもの)の、全てに使えますよ。もっと早くに使えばよかったよ。仕舞い忘れてちゃしょうがないけど。
これは早々に実際付けて着てみなければです。自分の体で体験しないと分からないこともあるし何かアイデアが湧くこともあるからね。
いろんな方法から自分に合ったやり方を、見つけるのが楽しいー💪


【着付け小物】[あづま姿]合わせ止め|衿止め