簡単着付け着物の面白ポイント
この訪問着は、楽に着つけられるよう部分的に洋服のような仕立て。
ダーツとペプラム(おはしょりもどき)うそつき袖
背中脇のダブつきをスッキリさせるため、うしろ両脇にダーツが入っています。
洋服のペプラムのようにペロッとした状態で「おはしょりもどき」がとり付けられています。右身頃は内側に入り隠れるので「おはしょりもどき」もその分途中までしかない作り。
簡単着付けと言えば、やっぱり”うそつき袖”がなきゃ!ですよね~
ということで、着物の袖裏にはちゃんと襦袢袖が縫い付けられていました。これを付け袖・内袖とも言います。市松の地紋様に、ごく薄いベージュとピンク系のボカシ、もちろん化繊です。
付いていた着付け小物
通常の着付けなら、着物そのものを着るときには腰紐と伊達締めが必要ですが(私は腰紐2本か、腰紐とコーリンベルトの2本)
これには付属のゴムベルトだけで着物が着られるようになっていました。縫い付けてあったのをすでに外してしまいました。それがこれ、ゴムベルトとベルト通し、重ね衿用のマジックテープです。
短い方のゴムベルトは右身頃の腰内側に。長い方のは左身頃の腰外側にミシンでしっかりと縫い付けられていました。
実際その状態で着てみようとしたら、ゴムベルトの使い方というか、腰にどう回しても不自然な仕上がりになってしまうのです。
ついてる向きがヘン?と言いますか、後ろから前から、身八つ口から通したりいろいろ試しても・・どうにもまともに着られなかったのです。
ワタシには分かりかねるコツ?があるのかもしれません。そこで、せっかくだけど思い切って外したというわけです。結果ベルト通しもいらない。
「簡単着付け着物」をちょっと手直し
後ろ衿を手直し、特徴ある衿先の仕立て
着付け紐を取り付ける
次に、いつも使ってるモスリンの腰紐1本(切って2本にして)を使って紐を取り付けました。画像は右身頃の表側と裏側です。この紐は内側から左の身八つ口を通り後へ回します。
左身頃の紐を後ろへ回し、先の紐と交差して前で結ぶ。というカタチになります。そこは一般的な着物と同じです。
いわば、おはしょりのない対丈着物に紐を付けて着るという感覚です。
紐を付ける位置や角度には十分注意を払い縫い付けました。左右の衽裾の角が若干上に上がるようにしないと、着た時動いた時に裾まわりがカッコ悪くなりますから。
・・ということで、面倒と思っていた手直しは意外にすんなりといきました。
ちょっと調べてみると、この元の形はかなり前に特許取得で発売された簡単着付けの着物のようです。何ていったかな?確か10年以上は前のスタイルかと思います。
この着物のサイズは前巾後巾ともに大事な身丈も裄丈もこのままでピッタリなのです。簡単な手直しだけで済んで結果的に大変に良いお買い物をしました。話のネタにもなります。
訪問着ではあるものの柄もシンプルだし着付けが超簡単で気になる着崩れもあまりなさそう。着易さと気軽さ♪化繊ですし普段に稽古にと着てあげたいと思います。