母の形見、着物とネックレスそして「心の宝」つれづれに

母が亡くなってふた月になろうとしている。

この3日には、長女の家でささやかながらも法要をした。この日は前夜からの大雪で早朝の出発が除雪作業で5時間も遅れ、すでにクッタクタ・・

そのうえ、車でゆっくり行っても通常なら3~4時間のところを大雪と帰省ラッシュで7時間以上もかかってしまった。

もちろん高速道路もその大雪で通行止めだったし。北海道に生まれ住んで、あんなラッシュに遭遇したのは本当に初めてのこと。帰路は5時間、、でも無事故で行って来れて良かった。
3姉妹の家族が集まって母の想い出話しに盛り上がった。そしてわずかばかりの形見分け.

特に趣味もなかった母は、ストレス発散と称しちょっとした貴金属や宝飾品をたま~に買っていたようだ。当時の仕事柄着物が必要だったので、特に「いいもの」ではないにしろ数だけは持っていた。

現役をはなれて着ることもなくなったその着物たちは、2度に渡る整理の末に私の所へやってきた。姉たちは着物への感心は無いし、かろうじて私が着物に目覚めたことに母は喜んでくれていたのだった。

次第に認知度も強くなってゆき、大切に着けていたネックレスを次々無くし・・無くすというより本人なりに仕舞ったつもりが解らなくなるというか。

排水口で引っかかっていたり、靴下に入っていたり、泥棒が入ったとまで(笑)もう、どれがどうなったか全くわからない。

最後にひとつだけ残ったのが写真の18Kネックレス「無くなって首が淋しい~」と言うので私が買ってあげたものだ。なので私の好みでもあるのよね。これさえ見えなくしたものの、ひょんな所から出てきて、結局は私のもとへ。

よく目にしていた楕円の薄緑の石、あれは翡翠だったのだろうか?随分と前から指から消えていた。ある時には・・近所の仲良しさんが引越しされる時、思い出にとオパールの指輪をプレゼントしていた。自分からそうする分には執着なかったのね。

一時期流行したメレダイヤのV字リング、トルマリンのファッションリングは2人の姉に。それぞれの指に雰囲気にピタッと似合って・・なんだか不思議なもの。サイズも丁度だったりで皆で笑った。私が試しにはめてみても全然似合わないの。不思議だね!お母さん。

入院する数日前に指からポロ~ンと落ちた甲丸のリング・・それは、母がしばらくの間預かり育てていた○○さんに受け取ってもらうことになった。大人になってから会うことはほとんど無かったけれど、数年間とはいえ育ての母のことを今も慕ってくれているのだ。凄いことだ母は凄い人だった。

母が遺してくれたもの、一番の財産は「心の宝」 

何者にも、どんな事にも崩壊されない「宝」を築くその術を教えてくれた。それが全て。それさえあればいい。母の「愛」この母だからこその「愛」を身を持って教えてくれた。

善きにつけ悪しきにつけ、私たち姉妹は沢山のことを学ばせてもらった。私達の知らない所で人を励まし支え癒していた事実。

臨終のその表情に、ありありと善根の証が観得た。それは巡り巡って私たちにも繋がってるよ。ありがとう。

私は子供らに、何をどう遺せるだろうか。