自分で着物を染めてみた~初めての柿渋染め記録

白地の大島紬(単衣)を顆粒の柿渋染料で染めてみた

染めてみたらどう?リメイク用の大島紬を柿渋染チャレンジ計画 から、自分で着物の柿渋染め、その前にお直ししよう! に続いて、昨日ようやく染めることが出来ました。

実践を記録する前に・・

着物は単衣ということと先染めの紬(大島紬は紬なれど、現在<大正時代から?>では精錬された生糸なので本来は紬ではないが)であるということで、自分でも洗いやすく縮みにくいという扱い易さがあります。

染める目的というのは、そんなに目立つものではないものの少しでも染め色と馴染むようにしたかったのです。また、光沢ある白地(アイボリーに近いが)が私には少し浮く感じなのでそれも抑えればとも。

柿渋の色がそれらに都合よいものだと思いませんか?👍

今回は初めての柿渋染ということでお試し感覚というのと、元々がリメイク用の着物だったので失敗しても全然OK😁との前提でやってみました。

染色の流れとしては、浸透→乾燥→浸透→乾燥を3~5回好みの発色になるまで繰り返したら、最後に流水すすぎで仕上げ乾燥です。

まずは着物を洗う

油汚れ等があると、そこが染まらなかったり染まりずらくムラになったりするので、染色に入る前に洗って取り除くとありました。

この着物は以前自分で洗いました。その後1回か2回稽古で着てますが特に油分等除去の必要もないと思い、洗剤は入れずに軽く水洗い(人肌程度の)、軽く絞って水切りしました。

これが顆粒(ほぼ粉末)の柿渋で、赤っぽい煉瓦色のようです。

私は洗面台に大きなビニールのゴミ袋にこれを溶かし染める準備をしました。今あるバケツだと小さめで着物を広げにくいため、ゴミ袋で代用しました。

全内容量15gの顆粒を、ぬるま湯500mlでダマが残らないようよ~く溶かして通常の柿渋液にします。それを、そのままか好みの薄め加減で使用します。

今回はそこに500mlの水を足して薄めほぼ1000mlに。そもそもが着物1枚に対しての液量としては少なかったし、薄めにしておけば失敗のリスクも少ないかなと思ってです。

溶かした瞬間だけ、ぷーんと発酵?に似た独特の香り(そんなにイヤなニオイではない)

柿渋液で染める作業工程

① 浸染

濡れたままの着物を柿渋液にドボン。液が少ないだけにムラになるのが怖いので素早く全体にゆきわたらせるよう押し付けて染み込ませました。ギュッギュッとしたら泡々に。

不染まりがないか確認しつつ2、3分間で終了。軽く絞って、液が残った袋は横に寄せておき、また2回目の浸染で使います。

② 乾燥・発色

洗濯機で軽く脱水(2分くらい)して干しました。

ほんとなら脱水機にかける必要はなく軽く絞って干せばいいのですが、北海道の季節柄室内で干すので液だれ防止のためです。また、直ぐに乾かせる場所がペチカ😅の前

冬で庭には出られず干せないのでこうなりました。特に衿など完全ではないですがすぐに乾きます。さっさと作業も終えたいし。

1回目の浸染と乾燥の発色具合ですが、柿渋液の薄さか写真ではほぼ変わらなく見えますね。でも肉眼では極薄でもちゃんと染まっていますよ。ムラにもなっていませんでした。

太陽の染なんて言われるくらい、本当ならお日様の下又は外気で干す方が発色はいいのでしょうけど、要はタンニンの酸化(空気に触れることで)で発色するようですね。

あえてこの季節にする私の無謀なやり方とも言えます。柿渋染は、のちにはゆっくりと変化もしていくようですよ。(これはどうかな?😒)

好みの濃さ発色になるまでの繰り返し作業

乾けばまた①と②の工程を繰り返しながら好みに濃くしていくのですが、今回は2回の繰り返しで終了しました。柿渋液がそれでギリギリでしたから。

着物だからギューッとねじって絞ることもしたくなく、脱水機にもかけるしで液は必要以上に消費されたというわけ。

2回目の浸染から干した状態↑1回目の時よりは少し濃くなりました(分かりずらい)裾の角についていた薄シミは、周りが少し色着いたために分かりずらくなりました。

他のシミたちもそんな具合。これでもうちょっと濃く染めることが出来たなら完璧だっただろうと思いました。

充分に乾燥したら、流水で洗って(すすいで)仕上げ。(※)にすすみます。

うっかりの、ちょっとした失敗?(でもないけど)

実はね、なにを勘違いしたのか説明文を読んだはずなのに、ちゃんと読んでいなかったようです。干して安心した時に読み返してのコレ(私のよくアルアルです😅💦)

2回目の浸染後の工程なのですが、上記に(※)充分に乾燥したら、流水で洗って(すすいで)仕上げ、とありますけど、実のところは乾燥後の流水洗いを乾燥前にしちゃった2回目の浸染後すぐに洗ってしまったというわけです。

そもそもが染料の少なさゆえの薄め具合に発色前のすすぎだと!?😆後の祭り、でもまぁいいかってことで終了~

とりあえず成功とする!柿渋染の仕上がり具合

まず、完全に乾くと柿渋の皮膜によって生地には硬さが出て紙のようにカサカサッとなります。今回は液も薄いのでそんなに硬くはなく、普通に大島紬を洗ってもそんな感じ。

生乾きのうち仕上げアイロンでほぼ柔らかく戻りましたし、優しく揉んでも又は着てるうちにも、更に柔らかくなると思います。以前自分で洗った時と同じく、今回の縮みも特にありませんでした。

本来の目的だったシミ隠し(笑)は、結果を言うと自分的には大成功😁と言えます。色的には、ごくごく薄い茶というか、わずかにピンクがかった感じもします。白の強さが抑えられて落ち着きました。

今後(単衣の時期)はシミを気にせず着られますよ。また気が向けば、この大島には更に柿渋を重ねるかもしれません。(上手くいったからか楽しい)

柿渋染を体験して納得したこと3つ

  1. 液だれを気にせず外気に触れさせて干すため、柿渋染をするなら真冬は避ける。
  2. 柿渋染料は液状の方が断然使いやすい。
  3. 必要な液量と染まり(発色)具合が分かったので今後の目安になった。

今回は大掛かりなお直しに続き初の柿渋染めと、けっこうな大ごと作業でした。でもこういったことが着物ごとのお遊び、楽しみ方のひとつでもあります。

早速試着をしてみました。→(大島紬のお直し柿渋染め後の試着と比較画像、得したこと