リサイクルの上布着物を自分で手直し②単衣の袖巾出しと初心者向けの和裁本

先日洗っておいたリサイクルの上布着物①、洗った後の色移り跡がどうなったか?・・予想通りで少し薄くなった程度ですね。まずまずこれでOKです。しばらくやってなかった直しの作業ですが、今回は”袖巾出し”をします。

単衣着物のお直し~袖巾出し

袖巾は34センチとし、縫い代分は印付けのためにも三つ折りにして軽くアイロンしました。(麻は高温に弱いらしいので極力アイロンは掛けたくありませんね・・)
まずは右身頃と右袖。今回のように両方とも袖を外しているときは、左右の袖の向きを間違えないようにします。袖底の縫い代は前向きに倒しているのでそれを確認。(前に間違えたことあるよ😝)

右身頃を裏面にし、表面のまま袖を身頃から入れ込み、肩山袖山を合わせ揃えるのですが、身頃の縫い代は解かずにそのままで、袖の縫い代は開いた状態です。なので身頃側よりも袖側がはみ出ます。

袖側の縫い代二本目の折り線(三つ折りだから)の2㎜ほど外側と、身頃側の端から2㎜ほど内側を合わせて縫いますが、袖側1枚と身頃側(縫い代含め)2枚の、合わせて3枚の布を一緒に縫うことになりますね。単衣はほとんどこういった縫い方ですね(袖付けを丈夫にする縫い方というのかな?)

袖付け止まり部分は力のかかる部分なので返し縫いでしっかりと。
今回は待ち針だけじゃなく仕付け縫いをしてから本縫いしました。袖を付けたら次は図のようにキセをかけました。縫い目から2㎜ほど内側を中に倒しアイロンです。終わって表に返すと袖付け線がキレイに整ってます。
「キセ」とは、生地と生地の接ぎ目に入れるゆとり分の事で、縫い目の保護にもなります。キセって和裁だけじゃなく洋裁でも使われるのですね。

あとは、袖の縫い代の始末(三つ折りのくけ縫い)と、袖付け止まりに「かんぬき止め」をすれば終了です。
かんぬき止めは、上手くは出来ないですが(笑💦)それなりで勘弁🙏
元の袖巾跡のスジ消しのためアイロン仕上げ。筋の部分には蒸気を離してかけ、麻を傷めないよう擦らずに、あくまでも軽ーく押さえるようにしました。スジは完全に消えなくても大丈夫、時と共に自然とこなれてきますし。

半日衣文に掛けて畳みます。7月に入ったら着ましょーね。

読むよりもDVDを観て分かる初心者向けの和裁本

上記写真の図は下の本に出ているものです。

着物初めの頃、真っ先に買ったのが「初めての和裁手習い帖DVD付き」でした。理由は、母に譲られた着物の裄出しをするためで、少しでも仕立てが分かれば直しも出来ると思って。ただそれだけのことで。
直し以外に、結局は2枚の着物を仕立てましたが、DVDの手の動きにくぎ付け状態でした。以降もなにかと役立ってきましたし、今回も久々に”単衣着物の袖付け”を確認してみたところでした。

足袋の作り方も型紙付きで、好きな人には嬉しいかもしれませんね。はじめての和裁 DVDつき手習い帖


最近気づきましたが、あとから発刊された「DVD付き いちばんやさしい和裁の基本」も充実した内容のようです。

着物の仕立てはもちろんのこと、着物バッグから、袖丈直し、裄丈出し、身巾出し、身丈出し。八寸帯のかがり方や、切らないで作る作り帯も。そして着物からコートを作る説明もあるようです。

当時もしこの本があったなら、私はきっとこちらの方を買っていたかなと思います。DVD付き いちばんやさしい和裁の基本


昔々の女性たちにだって、和裁など縫い事が苦手だったりヘタだった人も当然いたらしく(母からそう聞いている)で、ヘタなりにも、ちょっと頑張って自分でサイズ直しなんかができれば、自由も広がりますよね~ 私もその一人です。