最後の夏着物に「サマーウール」と紗の半幅帯|サマーウール、ポーラを着る時期など

気温がグッと下がり、早朝はなんと10度を切ったようです。

さすがに、今日の稽古は流れるほどの汗など全くなく、額や首をガーゼタオルで押える程度。かなり涼しい日となりました。(今、これを書いてる最中も半袖Tシャツでは背中がゾクゾク・・)
そんな日の着物には「サマー・ウール」を。今年最後の夏着物です。そして、これで今ある浴衣を含めた夏着物(礼装系以外)は、この夏全て着てあげることも出来たわけです。

平等に(笑)といいますか、最低でも年に1度は袖を通してあげる。というのが自分なりのルールです。(礼装系はそうもいきませんが)
そうすれば、有ったことを忘れ仕舞い込んだまま・・ということもありませんよね。

また、自分でそう呼んでいる「リメイク予備箱」という「衣装ケース」がありますが、もうそろそろお役を変えリメイクなりに使おうと思った着物類を、そこに仕舞う時期も決められるのです。(状態によっては解く、洗う)

この「サマーウール」着物は、初めて自分で縫った着物(かつての家庭科授業でも浴衣さえ縫うことはなかった)でしたから、かれこれ10年に?これもそろそろ解くつもりです。

この着物はウール・テトロン・麻混紡のものですが、サマーウールには「ポーラ」と呼ばれるウールに絹混紡のものもありますね。ウールを基本に混紡糸はいろいろでその混紡率もいろいろ。「サマーウール」と一口でいってもいろいろなんですよね~

ウールは「毛」なのだけれど、呼び名のとおり夏用の細い糸で、強い撚りもあるので肌への貼り付き感が少なくシャラシャラと涼し気なものです。透かすとこんな感じ。
織元廃業とかで「民芸ポーラ」という商品は無くなったそう、今は在庫があるのみ。
【生地代+お仕立て代込み価格】サマーウール・民芸ポーラ絣 でも、織り名は変わっても「ポーラー」はちゃんと他の織元で生産されているそうです。

サマーウールは染織こだまさんHPでも、どんなものか分かりやすく書いてありました。

サマーウールは夏着物なので盛夏にも着られるものですが・・ですけど、やはり絽や紗、麻よりは見た目ほど涼しくはない(じんわり温もりがある感じ)ので、盛夏には避けますね。昨今では一般的にもそのようです。

糸の太さ混紡の違いなどで、透け具合や体感も多少ながら違うようですけど、着るなら6月中旬~下旬までと、9月初旬~中旬まで(ここも気候と体感による)で7月8月は避ける。といった感じです。

サマーウールは夏着物といえど盛夏は暑い!けど見た目は「涼しそう」に見える。と、言うのも・・

もう何年も前、初めてのサマーウール着用の日。ある会合で猛暑の中これを着て行ったことがありました。

クーラーもない会議室、体の中は灼熱でしたが、顔だけには汗をかかなかったせいか?周りの皆さんから、一番涼しそうな顔してる・・などと言われたことがありました。

夏着物って、涼やか?そう映るのでしょうか。けどあの日から、真夏にはサマーウールは着るもんじゃないと知りました。体感の問題でね。

実は夏の着物は体に優しいってこともあり。というのは・・

夏は暑いから肌を出したいものですけど、熱い外気や太陽に肌が直接さらされる面積が多いほど体力もそれだけ消耗するらしい。着物は体を守ってくれながら、必要な部分には風を通してくれる(衿元、袖口、身八つ口)

逆にクーラーの効いた場所では足元や肩背中を暖かく守ってくれる。年を重ねるごとに、その効用を実感しますね。

さて話は初めに戻って・・

まだ早い話ですが単衣の着物もこんな風に全て袖を通せるか?楽しみな計画でもあります。そしてどの着物が「リメイク予備箱」に移動するかな?

最後に、一部の方ですが稽古後の後ろ姿をば。稽古では決まりごとのように皆さん半幅帯ですよ。