嫁入り支度に持たせてもらったけど着られていない着物の数々・・こういうの世の中にどれだけあるのでしょう。
今日、近所のSさんから着物類を預かってきました。それらは娘さんの為に仕立てたものだと聞きました。娘さんは確か私よりいくつか若い方で60代の手前だったと思います。
オレンジや赤、桃色といった八掛けの色、帯の色に時代を感じます。自分の若い頃の着物もそうでしたし、貴方のもそうじゃなかったです?
つい最近の事、Sさんの娘さんが「もう着ることもないからお母さんのと一緒に処分してね」ということで自分の家から実家へ持ってきたのだそう。
でもそれ聞いて、正直驚き~(価値観の違いと言えばそれまでだけど)もしどうしても処分するにしても直接親の所には持って行かないなぁ。着ないとはいえ私の母だったら気分悪くする話だもの。
しかし当のSさんはあっけらかんとしたものらしく割り切ってるそう。逆に清々しいくらい。ですね。
ご高齢のSさんは「自分の着物ですら整理出来ずにいるのに娘の着物までは置いとけない」と困ってました。業者に持って行くにも持って行きようがなく、引き取りに来てもらうにもどこがいいか迷いあぐねてもいました。
迷いの理由・・二束三文とは分かっていても、タダ同然はちょっと腹立たしい?みたいな(笑)ね。分かりますよねその複雑な気持ち。
実は、Sさんとうちの息子との会話から今回預かることになった、という訳なのです。Sさんの話を聞くうちに「それなら自分(息子)が代わりに売ってあげようか?」と謎の親切心がムクムク。
ネットフリマ出品をしている息子。面白いみたいです。忙しいのに大丈夫かな?すでに私も手伝わされてる状況ですけど、まぁこのくらいならしばらくの間であれば置き場所もなんとかなる。早く売れてくれればいいのだけど・・
サイズも大きそうな仕立てなんですよね。娘さんにも1度だけお会いしたことがありますが身長も高く美人で素敵な娘さんだったのを覚えています。
預かった着物や帯の色柄を見て、Sさんの親心に触れました。けど、やっぱり悲しいなぁ。周りには誰も着てくれる人が居なかったのね。とは言え、着物が好きな誰かにまた袖を通してもらえたりと、活かされる方が断然いい。Sさんもそう望んでいるでしょう。
私の今ある着物にも、いつかこういう時が来るのでしょうね。自分は手放すとしても、結局は必要としてる人の所へ巡り巡っていくものだから、これもまた良しっってことで、喜ばしいことなのでしょう。