自分で着物の裏地を外そう!袷を単衣にして身丈と袖丈を伸ばす付下げ編№1の続きになります。
衽と衿がお直しのポイント!素人による身丈袖丈出しの手順
作業の手順としては以下の通りで、今回は2.の作業を終わらせました。
- 裏地(胴裏と八掛)を全て外す ✔
- 身丈と袖丈を伸ばす+衿丈を伸ばす ✔
- 単衣仕立てへの始末総仕上げ
前回の予定では「2.身丈と袖丈を伸ばす」でしたが、今回は「衿丈を伸ばす」も加え変更しました。
なぜなら、そもそも身丈を伸ばす際に前後の身頃の他に衽も伸ばすわけですが、衽とつながっている衿の長さも同様に伸ばさなくては構造上バランスが崩れると気づいたから。
ということで、身丈は前後の身頃・衽・衿で6㎝づつ、袖丈は2㎝伸ばしたので、その手順を記録しました。
後ろ身頃と前身頃を出す(内あげを下す)
内あげ部分から長さを出しストンと下ろす、といった感じのお直し方法です。
いっぺんに解いてしまうと元に戻すのも面倒なので部分的に解きながら直すというチマチマしたやり方なんですよね。また柄合わせがズレる心配もないのです。
下の画像は後ろ身頃裏側ですが、内あげ分部の元の縫い目はそのままにしてその3㎝下を縫います。前身頃も同様です。
縫った後に元の縫い目を解くと、結果身丈6㎝分が伸びました。
ここで、前後の身丈を伸ばしてもこの時点で衽は一部のみ解いただけなので、衽側の前身頃が画像の通りダブついてます。これはあとの処理でやるので大丈夫です。
衿を外して衿の長さを出す
身丈と同じく衿も6㎝伸ばします。衿を外すのは衽の剣先あたり(※2)から衿先までの部分のみ。これで衿と衽の両方を伸ばせます。
衿を伸ばすのに、表地と裏地の縫い込み量は十分にあるか!?と一瞬不安になりましたが両方とも縫い込みはたっぷりあり大丈夫でした。
表地から裏地からそれぞれ6㎝出して縫い直したら、衿の外側のみ表地に裏地をくけ縫いしておきます。内側(衽側)はあとで衿付けの時に縫います。
衽丈を出す
まず解く前に元の衽剣先と前身頃が繋がっていた縫い止まり位置に印付けしておきます。先の「小見出し 後ろ身頃、前身頃を伸ばす(内あげを下す)」に記載の、衽の一部(※画像1)まで、衽剣先を解きます。
衽剣先に付けた元の印から6㎝上を計り印付けしたら、それとさっき前身頃に付けた縫い止まり印とを合わせて、解いた部分全部を縫います。
これで衽丈が伸びて、前後の身頃と揃い身丈そのものが完全に伸びました。
外した衿を付け直す
衿そのものは衽の剣先辺りまでしか解いていません(※2)から、その下から衿先までを縫い直せばいいわけです。
衽に付いてる元の衿付け止まり跡に、まずは衿先を待ち針でおさえておき、元の衿付け線(跡が残ってる)をガイドにしながら外した衿部分にも待ち針。
衿付け完了。
袖丈を出す
袖の底は袋とじにしますから、まずは表の状態で青い線のところ布端から1㎝くらいを縫いました(左右の縫い代手前まで)
袖を裏面にひっくり返して、黒い点線部を縫います(左右の縫い代手前まで)
袋状になった底の縫い代は、着た時に前側に倒れてる状態にします。
袖左右とも完成です。
初心者向けの和裁本を頼りに直しの山場は終了
残る次回は、裏を外したことでぺら~っとなってる縫い代の総始末と仕上げのアイロンです。今回の作業に比べたら楽勝もん😁ついでに試着もしてみたいと思います。
そう、過去に単衣の着物を仕立てましたが、それは着物の構造を知りお直しが自分でチャチャッと出来るようになりたいからなのでした。
当時アマゾンで買ったのがこの本で過去にも紹介したことがあります。今は中古のみなんですね。
あの頃は本を見ても書いてる意味そのものがが分からなくて、DVDを見ながら一時停止や巻き戻ししつつ、なんとか理解し単衣を仕立てたものでした。
他にも長襦袢や半襦袢、浴衣、足袋なども仕立て方が出てますが一切活用してませんね😅その時に知りたいことを知れば他のことはもういいってなります。また基本さえ理解できればあとはけっこう適当なのです。
日常着や洒落着程度ならそれでいいと思うんですよね😏