母入院、心に愛が満ちた瞬間つれづれに

仕事から戻ると、母の施設担当者から電話が入った。夕べから尿が出ていなかったらしく、受診の結果入院と決まったので病院へすぐに来て下さいと。

いろいろな検査後の診断で、心不全、腎不全、うっ血肝の治療入院を2週間の予定。結局、末期の肺気腫から他に影響が及んだ。

鼻から酸素を入れて、点滴、管で尿を出すと、体的に少しは楽になってきたよう。認知症もあるので状況も理解できず、起き上がろうとしたり管を引っ張り外そうとするのでベルトで押さえられてる。

痛々しい姿だけれど・・今は、ごめんね。時々うつろに目を開けこちらを見て私を確認する母。何を喋るということではないけれど・・ただ側で、手を握り頭を撫でたり体ををさすったりするだけの私。

ぽつり、ぽつりと声をかけながらしみじみ思った。

「人間は所詮ひとりだ・・」まだ幼かった時代、そんな考え方をしていた自分。何かが足りなかった。冷たい人間?いや人としての「愛」を知らない気の毒な人。

そんな己を何かにつけて恨んだものだ。心に灯がともるまで随分時間がかかりいろんな思いもした。変わろうと努力もしてきた。

環境も持って産まれた性質もあろうけど、それよりもっと深く感じ入ってみれば・・そういう魂を持ち、この世に生まれこの家族あの環境で、そしてこれまでの人生の中でなければ、
私は、課題としてきた「愛」を本当の意味で知ることが出来なかったに違いない。

というか・・私という魂が、より磨かれるためにはそれが最も必要な方法だった。その都度自分なりに悟ってはきたけれど、最終的に教えてくれたのはやっぱり母親だったんだね。母は偉大なんだと改めて感動したよ。

姉達が遠くへ越して、私1人に何かと負担を掛けてると姉たちは気を使ってくれるけれど・・。だからこそ、おかげで母との関係をこの6年間で育んでこれたんだと私はほんとに感謝している。(ムカっとくるときも多々あったけどねお互いに)

今もこうして、愛が深々と積み続き満たされようとしている。長い時間かけて徐々にやっと開いてきた魂の扉が、いま完全に開け放たれた感覚・・ 

この瞬間からまた私の人生変わるよきっと。おかあさん、ありがとね。

心から自分にあった愛を感じ、母への感謝を感じてたら、感謝がさらに広がった。すべての縁してきた方々に、全ての出来事にありがとうね。