母の葬儀後、遺品の整理や挨拶回りも済んでやっと落ち着いた時、あらためていろいろ思い出すうちに気も抜けて・・落ち込み気味でした。
でも土日に孫が泊まりに来てくれて忙しかったり楽しかったりと、おかげで元気にさせてもらえました。今日の舞踊サークルへは先週着そびれた着物、色大島で。蚊絣に笹の葉柄の織りです。
これは4年前に母の衣装箱からペッたんこ状態で出てきた着物で、なんだか薄汚れたようにも見えてた。手触りからは大島っぽいのだけれど、母に聞いてもその頃はもうボケも出始めて確かな事は分からずじまいでした。
(疑問をもちつつ、のちに本場の大島ではないことが分かりスッキリした着物)
洗い張りのうえ仕立て直しをしてもらおうと思い胴裏八掛を全部外してみました。裏面を見て分かりましたが、薄汚れていたのではなく元々がそういった色なんだと納得。
それで、自分で全ての裏を外したあとクケ縫いの始末をして、単衣としてしばらく楽しみました。これを着ると思い出が甦ります。
というのは、丁度単衣に直した頃これを着て母と一緒にドライブ。花園巡りや酒蔵で食事をしたことなど思い出します。「なんだか、見たことある着物だね」なんて母は言いうので「お母さんのだよ」と私。とても喜んでくれたっけ。
その後ネットでお手頃な悉皆やさんを見つけて、自分で全部解いたあとに(その方が安くついたので)洗い張りと袷への仕立て直しをしてもらったのでした。
この着物の八掛は、元は笹の一色からとった辛子色で粋な感じでした。それも好みではあったのですが、温かみが欲しかったので赤身がかった濃いベージュ系に変更しました。それも柄の一色からとった色です。
たまたま選んで付けた半衿が失敗でした。サンドベージュって顔がくすんだ感じ(笑)に見えます。ということは、自分の肌と相性が良くない色なんだとこの時理解しましたよね。
半巾帯はウールです。滑らず締まりもいいし緩まないのでけっこう好きです。赤や黄色のウール帯はよく見ますが、こういう色を見つけた時はちょっと嬉しかった。
ベルベットのコートも母が着ていたものですが、どこも傷んでいなくまだまだ活躍してくれそうです。もう少し長いと良いのですけどね。私にはちょっと丈が足りないが、普段ちょこちょことその辺で着るには活動はしやすい。
これからもずっと、こうして着物を纏う度に感じる母の暖かさ。幸せなことです。