娘時代の袷着物を単衣にしよう!裏地を全部はずす「バチ衿」の場合
先日の着物を着た時に解きたい気分が湧いてきたとか書きましたが、そうだった!あの着物を単衣にするつもりだったんだと思い出しました。目に触れないと忘れるんですよね😌
確か19の頃、娘時代の染大島風小紋です。全体的にアカい(ハデと言った方がいいのかな?)のですが、それはまだいいとして八掛がご覧のとおりはっきりとした朱色(濃いオレンジ系)なのです。( この染大島風小紋の出生はこちらです)
稽古や家着だけで着るにしても、この八掛はちょっと・・。これがないだけで、少しはまだ着易くなると思うんですよね。
ということで胴裏と八掛の裏地すべてを外しました。その経過を記録しておきます。使ったのは糸切り鋏よりやりやすいリッパ―です。
素人がやる着物の裏地外しは衿周りの胴裏が難点
初めに衿から解きますがその前に、この着物はバチ衿です(広衿じゃなく半分に折られた棒状の衿)。ちょっと引っ張ってみると、このように身頃の表地と胴裏地を一緒に縫われていているのが分かります。そこへ、掛け衿の付いた本衿が縫い止められています。
掛け衿の付いた本衿のみをまず解きます。衿先部分まで全部です。解くと衿中央には芯になる別布が挟み込まれていて、確かに胴裏地は身頃と一緒に縫われているのが分かる。
注)この糸を外してしまうと衿そのものも外れてしまうのです😨💦
それは大変!ということで、こんな策があります😄👍
乱暴ですけど、このように縫い線から1、2センチ程残してジョキジョキ切り離してしまいます。両衿先部分から全部で~す(表地を切らないよう気を付けて!)
切り離したあとの衿元に残ったヨレヨレはどうするの?というと、大丈夫です。さっき解いた衿の中に丁寧に突っ込めば、ヨレヨレは無かったことになるよ👍
画像のようにヨレヨレを折り上げ挟み込んで待ち針をしておき、くけ縫いすればOKです。
袖は全部解けてしまう
次に袖です。袖は、袖口裏地(八掛)を縫い付けた胴裏地と、表地が一緒に縫われているので、袖付け部分以外は全部解けます。
ですけど、しっかりと元の折り目が付いてるので後の始末は思うほど難しくはありません。もちろん袖底や袖丸み縫い代の始末を考えると、普通に仕立てるのと変わりませんけども。
胴裏と八掛で一枚の裏地になってる
胴から下の裏地は所々の糸をちょんちょんと切れば糸が抜け、あとの解きはとってもラクです。袖付け止まり、袖口止まり、身八つ口止まりなど、止めの部分は少し引っ張りながら止め玉糸を切ればスルッと外せます。
はい、これで裏は全部外しました。胴裏と八掛は一枚に繋がっています。衿の辺り、適当に切ったのでギザギザでしょ😆
これまでも裏地外しは何度かやってきましたが、実際どのくらいの時間がかかるか計ってみたら、なんやかんやしつつも1時間も掛からなかったです。今までで最短でした。これも慣れなのでしょうね。
裏を全部外したら、ほとんど単衣の仕立て状態です
あとはゆっくりと、衿・袖・身頃など諸々の始末は暇を見てやっておきます。袷だったものを単衣にするには、結局延々とくけ縫いの作業が必要でそれが面倒なのですよね。
それでも、着物初めの頃ですけど単衣を二枚縫ったこともあるし、さまざまにお直し等もしてきたので何とかなります。
着物の解きは面白発見
着物を解くといろいろ面白いのが、さっきの衿に挟まれた芯もそうですが裾のフキと言われる部分に挟まれる別布も発見なのです。これに縫い込まれていたのは可愛い柄のモスリンでした♪
以上です。ちゃんと単衣に出来上がったら今度家着で着てみましょう。・・後日、仕上げて着てみました