「塩沢お召」が縮んだ!無知ゆえの着物失敗談

ある時の失敗談です。

この塩沢お召しの訪問着を、自分で洗ってみたことがありました。ギョギョッ😨💦
分かっている人には信じられない行動ですよね。

それは、単純に塩沢紬と思いこんでいたからで、紬の着物を自分で洗ったこと(大島などで単衣のみ)がありますので、同じ紬ならこれも洗えるかな?と・・
その頃、着物洗いに使っていたのがこの家庭用ドライクリーニング洗剤なのですが、

織物や着物のことをよく知る人からすると、なんて事すんの!?でしょうね。無知ゆえの行動といいますか・・思い切りがいい性格というか、エイや!とばかりに水へと押し込んだ!

すると、水を吸収したそれは見る見るシュワシュワシュワ~~っと・・無残にも縮みはじめたのです。

え?え?・・あはは~ そ、そうなんだぁ・・(冷や汗)

でも、失敗を失敗と思わないのが私。妙に感動しながら無残にも縮みゆくその姿を、凄~~いと叫びながら見入ってて。。急いで引き上げたってもう遅いですからね。

もしやこれがあの「お召しは無残に縮む」というやつなのですか?・・とすれば、これは紬じゃなくて「お召」なの?と頭の中はクエッションマークで一杯。

仕方ないので、もうそのまま素早く洗ってしまって、ネットに入れ数十秒の脱水ののち、(そのあとも笑えるのだけど)カチカチに小さく縮んだそれを、優しく優しく伸ばしながらアイロンを掛けました。縮んだ分さすがによく伸びるのです。執念で形を整えましたね。

するとね、なんと輝きが!ツヤツヤのシルバーグレー。こんなに美しい織物だったんだと改めて感動した次第でした。

なんとか着物の形には戻りましたが、ちょっと・・人前では着られませんよね。言わなきゃ分からない?・・かもしれないけれど、着ていて自分が落ち着かないですよきっと。

そのあと「塩沢紬」をネットで調べてみると、これは「塩沢お召し」とか「本塩沢」とかいわれるものだったと分かりました。「塩澤紬」とはまた別の織物なんですね。

こんな無謀な事が出来たのは、確かに古着だったからこその安易さと、やっぱり無知ゆえのなせるワザ、ほんと考えなしでした。

いやしかし勿体ない😱

それで後日自分で着物を解いて、専門店で洗い張りと仕立て直しをしてもらったという訳です。単衣なので居敷当ても付けてもらいました。

地味に見えますが、シボのおかげで光の反射効果?着るとパーっと明るくなる不思議で素敵な織物です。いくつになっても着れそうな素敵な着物👍

また独特のシャリシャリ感が、初夏にはとっても気持ちの良いものです。
あらためて「塩沢紬」と「塩沢お召し(本塩沢)」の違いを、こちらで知ることが出来ました。https://www.ykya.co.jp/ykh/ykhtale/49.siozawa/siozawa.htm

こうして・・

失敗?は成功のもと・・とか言いながら、
いろいろ試しつつ、ある意味冒険しつつ、着物を楽しんでいるのです。