夏の着物、麻っていいね骨董市からリメイク候補~掘り出し物の小千谷縮

夏にはと~っても心地よい、この小地谷縮。
今日の暑い日にも、ふと風がそよいだだけでもす~っと「涼」が通りぬける。この感じいい麻着物ならではかな。稽古の帰り道、日傘をさす自分の影を見ながらしみじみそう感じた。

あれから何年たったでしょ・・まだ着物を着始めたころのこと、たまたま覗いた骨董市の着物リサイクル店で見つけたこの着物。
それは「着物」というよりも、「リメイク用の素材」としてテントの天井からハンガーに掛けられて・・陽の光に透けては影になり、そよ風になびいていたのでした。

向こうが透ける涼やかな織物。パリッとした硬さにも、細い麻糸に縮をかけた夏ならではの生地。それまで実物は知らなかっただけに憧れの着物、織物でした。
おそらくその先誂えることはないであろう小千谷縮の着物とは、実際どんなものなのか、興味はすごくあったので思わず買い求めた。素材感を実際に触れて味わいたかったのね。

生地のいいとこ取りでリメイク服か暖簾にしてもいいし、ということで。もう忘れたけれど千円か2千円だっただろうか。
それがね、持ち帰ってよく見ると・・・勿体ないなぁ着れないかな?なんてムクムクと着たい気持ちが湧いてきたっけ。

確かにシミのようなのも色抜けみたいな部分もあった。けどこの柿渋染のような色、柄、縮のシボの効果か、おかげでほとんど分からない(見る人が見れば分かるでしょうが)

なんだ充分着れそうじゃん!と、まずは早速手洗いしたのでした。縫い目の弱りを確認し、解れを直し、裄丈を出してね。気になる色のぼけた部分は、打ち合わせの内側になることで着てしまえば全く分かりません。ラッキー。

たとえ1度だけでも、麻着物の醍醐味、夏着物の醍醐味を味わってみたかったのあの頃は。
あれから・・ヤダ!もう8年いまだに着続けてるっちゅうの!(年に1、2度ですけど)来年はリメイクするぞって思うばかりで、結局は今年もまた着てしまった。なんだかね・・ハサミを入れたくないのかな。

だけど、これで夏のチュニックかワンピでも作ったらこれまたいいんじゃない?と思ってもいるのです。今日、サークルのお仲間にもリメイクのことを話してみたら「まだまだ着てなさーい」と言われてしまった。

リメイクしたい、勿体ない、リメイクしたい・・また来年に持ち越しか?骨董市の掘り出し素材とはいえ、この小地谷縮は思いのほか私にとって価値があったようです。