未仕立ての八寸全通柄名古屋帯を「二部式の作り帯にする」作り方
和装の恩恵、頂き物
西陣織の「袋名古屋帯」を頂きました。(他にも1本、それはまた後日)やはり踊りの「会」の方からです。着物関係の頂き物って、けっこうみんなが経験する和装の恩恵というやつですね。驚いたことに、これは未仕立てのままなのです。気に入って購入したものの仕立てないままに仕舞い込んでいたという、これもありがちなことですよね。
「年齢的にもうムリ!」と言ってましたが、総柄だし「このまま半幅帯にすればまだまだイケるのに」と返しつつも、ありがたく頂戴しました。

ちょっとラメ糸も混ざっています。裏が渋くて落ち着き感、あえて裏を使うのもアリ。
この未仕立ての帯反物は「袋名古屋帯」といって、タレ先とする部分で折り返され二重になっています。ここがお太鼓部分となるのです。
その二重になった長さを計ると98㎝ありました(身長体形に合わせ約90~100㎝位がお太鼓を作れる十分な長さだと言われていますよね)

普通に1本の帯にするなら、この二重の終わりをかがり縫いし、その上のところで三角にして前帯から手先までを半分に折ってかがり縫いすれば、それだけで「袋名古屋帯」の出来上がり♪(お太鼓の開いてる両端もかがりますが、そのままでも可)なんですが・・
私は、この帯を二部式の帯にしようと思いました。では、頂いた未仕立て帯で早速作ります。
お太鼓部分の作り方
まず、折り返し終わりの部分(お太鼓になる部分)を少しだけ余裕をもって切り離しました。二重がズレないようにしつつ、お太鼓の大きさ形を決めます。
タレ先は通常自分の人差し指分の長さと言われますよね。身長、体形、好みによりけり。柄合わせの兼ね合いもあって私は少し長めにしました。
横に入る縞柄が上にくるか下にくるかによってイメージも変わります。結果、こんな感じに決めてクリップで仮留めしました。
写真ではタレ先込みで上下の長さ34㎝ですが、帯枕の膨らみ分や全体のバランスを見て調節し35㎝に決めました。ふだん用は小ぶり気味です。帯枕は平らな角出し用しか使いません。
実際付けた時の感じが変だったら、お直しも簡単です。

これを裏にひっくり返すと、始めに切り離した部分がここにきてる(二重)
切り端を折ってタックをとりクリップで仮留めしました(タックをとってから折り込んでも)こうするのは帯山にわずかな丸みを出したいからです。

黒い線のところを何針か縫って固定します(柔らかいとか、帯地によって不安定なら他の部分にも縫い留めたりして)
二重であることと目の詰まった硬い織りは針も通りにくいです。が、硬いほど折り目さえしっかり付いてしまえば、そんなにいくつも縫わなくて大丈夫なものです。
胴に巻く部分(前帯手先込み)
両端を裏返し大雑把に縫う。輪になってる近くは縫わずに。黄色の線のところは、角を小さく切り落とすと、出来上がりがゴロゴロしないですよね。
完成形
出来ました。手先を通しています。胴部分(手先込み)は巻き始めをずらすことで手先の長さを調節出来ます。また、最終段階で長ければ折り込んで帯締めすればいいし、何度か使えば加減もわかる。次回の稽古日に早速付けていきましょうか。
※ この帯の締め方→ 「二部式帯」の使い方、締め方、収納やクリーニングについても
つづき・・六通柄の名古屋帯の場合はこちら