名古屋帯を「二部式の作り帯(付け帯)」にする、六通柄の帯編|「二部式帯」の作り方


の続きになりまして、一緒に頂いたもう1本の帯。これも前ページのと同じ「袋名古屋帯」ですね。仕立て上がりなので当然お太鼓の両端もかがってあります。

柄は、六通柄といって、全体の六割ほどの柄つけ。ひと巻き目になるところには柄がありません。手先にも柄がある場合もありますが、この帯はないタイプですね。

手先だけ半巾に折りかがってあるのは「松葉仕立て」という仕立て方ですって。ほとんど締めていなかったようで、収納の折りシワがあるくらいです。
これも二部式帯に致します。また、前ページにもあるように、お太鼓は一部固定型で紐なども付けません。

「二部式帯」の作り方、六通柄の名古屋帯の場合

※全通柄(総柄)と違って六通柄の場合(ちなみにポイント柄も)はひと手間必要です。

まず、お太鼓部分を計りました。その二重になっている部分が110㎝ありました。このままここで切り離してもいいのですが、その分胴回り分が少なくなるかもしれませんので94㎝で切り離しました。で、残ってる二重の部分は解いて1枚にしておき・・
裏はびっしり刺繍糸、こういうの見ると胸がトキメキます。

タレ先上部には丁度、線(オランダ線というらしいですよ)が入ってるので、ここにお太鼓の決め線を合わせます。柄合わせをしつつ、お太鼓の大きさは(タレ含む)35㎝です。
お太鼓をひっくり返して、前ページと同じようにし縫い留めました。この帯地はとっても縫いやすかったです。スッスと針が通って気持ちいいこと(笑)

全通柄(総柄)と違って六通柄の場合(ちなみにポイント柄も)はひと手間必要です。ここが、そのひと手間のところです。

手先を60㎝切り離しまして(もっと短くてもいい)さっき、お太鼓側と切り離した部分に繋ぎます。
なぜこの手間が必要なのかというと、

切り離さずそののままの状態で胴に巻くと二巻き目で柄がズレることになりますよね。
そこで手先を切り離せば柄が必要な位置に来ます。

更に切り離した手先を巻き終わりになる部分に継ぎ足すことで、お太鼓に手先を通せる分が出来る。
ということです。

このやり方でなくても「二部式帯」というのは出来ますが、いろいろやった中で私の希望に叶ったスタイルがこの方法なわけです。前ページにその理由とポイントが書いてある

出来ました。胴に巻く部分(前帯・手先)は計ると251㎝。仕立て上がりの帯は短時間で作れます。胴の半幅部分が、右巻き左巻きによって違った柄を選べますね(上の写真)
これで、頂いた2本の帯は両方共「二部式の作り帯(付け帯)」に出来ました。

次は、ポイント柄帯の場合も書きました。
※二部式にする理由と決め手は全通柄(総柄)の帯で説明してます。