麻(からむし)の八寸名古屋帯を仕立てました。麻の帯は真夏限定か?

先日届いていた未仕立ての”からむし”の帯をさっそく仕立てましたがその前に・・

からむしって、苧麻(ちょま)であり、よく聞くラミーのことだったのね。今ごろになって初めてそこが繋がった💦ただ調べたことがなかっただけのことですが。。

おかげで、今回麻についていろいろ勉強になりました。他の麻のことも詳しくこちらのサイトに出てますよ→BOKEN~学びたい・知りたい亜麻(リネン)・苧麻(ラミー)・大麻(ヘンプ)について

上布の着物(越後上布、小千谷縮、宮古上布 他)と同じ種類の麻ということになりますが、その質感もまたそれぞれ特徴があるけど、帯となるとまた違う感じで紬のよう。糸の細さや織り方によるのですね。当たり前のことだけど感動♡

使い込んでいく時の風合い味わいの変化がちょっと楽しみでもあります。

素人が仕立てる、八寸かがり帯の松葉仕立て名古屋帯全通柄

さて、この帯用の織物(帯反物)は全長534㎝で、お太鼓になるタレの折り返し分が入っての長さです。
自分でも仕立てやすい通常の八寸帯(単衣帯とか、かがり帯ともいわれる織り巾が30㎝前後のもの)なので、端などをかがるだけですね。前回仕立てたものと同じです。

※同じ八寸帯(単衣帯)でもタレ先が織りの段階ですでに処理されていて、折り返し分がなくかがる必要のないものもありますけど。

八寸帯の仕立てで、界切り線が2本ある場合の折り返し位置は?

前回仕立てたのと違う部分が一つあります。それは、このように”界切り線”というものが2本入ってること。(種類によっては1本とか3本、または4本というのもあります)

この場合は丁度線と線の真ん中から折り返せばよいのですね。別の言い方だと、線と線の部分を合わせて折り返すというのかな。
線から線までの幅は20㎝です。その中心から裏へ折り返すと1本の線がタレ先から10㎝の位置に出ることになります。その線から下がお太鼓を作ったときのタレ先です。
折り返して二重になった部分(お太鼓)の両ミミをかがり縫いしたら、折り返しの終わりはお決まりの千鳥掛け。手先は少しだけ閉じる「松葉仕立て」にしました。前回のと同じ寸法です。

※手先から胴の部分を全て縫い閉じると名古屋仕立で、手先もすべて開いたままのは開き仕立て(この場合手先は三つ折りで処理)

仕上がりの全長は390㎝です。長すぎませんか?角だし結びも余裕で出来ますけども、ここまで長いと結びづらくないでしょうかね?😅

そもそも仕立てる前に、自分が使いやすい長さを割り出し決めておくのも必要だったりします。今回のようにもし長すぎて✖の場合は、界切り線は無視して自分に必要なタレの長さで折り返すといい、ということですね。
カジュアル帯のほとんどは、だいたいこのようにぱたぱたと軽くたたみ丸めて収納しています。

ところで、麻の帯は7、8月の盛夏用であると”着物通”のお方や、一部の呉服店さんが仰ってましたが実際のところはどうなの?

麻帯は真夏にしか使えないの?使っちゃいけないの?

麻帯は夏帯の分類で基本的には盛夏用(7、8月)と言われていますが、自由にとらえていいと思いますし実際そうしてる方も多いですよね?

私は初夏、盛夏、晩夏と使います。単衣と薄物の着物に合わせるので、最近の気候なら5、6、7、8月と、9月の中旬くらいまでと、短めのスリーシーズン的な感覚です。

ただ、同じ麻帯でもその織りの感じ見た目によるのだと思っていて、着物の季節感と同じように透け感があるかないかで考えればいいと思っています。

織り目が粗いとか糸が極細い織りなど、透け感のあるものいかにも真夏の風情ならば、やはり7、8月の盛夏が向くと思いますし、逆にあまり透け感のないもので着物とも釣り合いが取れる雰囲気であれば、上記のようなスリーシーズン感覚でいいと思っています。

今回仕立てたような、しっかりと目の詰まった紬の帯にも見える麻帯、こういったのは4月でも9月いっぱいまで締めてもいいと思います。あくまで着物と釣り合いが取れればですが。最近ではオールシーズン使えますという、目の詰まった透けない麻帯(半巾だけど)もあるくらいですよ。

つまるところ、麻帯はトータルで見た目の季節感さえ合えば、盛夏に限らずスリーシーズンで使えるものだということですね。

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