袋帯で作る、二部式帯の作り帯
袋帯を二部式の作り帯にしました。袋帯と言っても、フォーマル限定のような重みのあるものではなくて普段のお洒落着にも締められる袋帯です。
背中心あたりから胴に二巻きして巻き終わりが「テ」になる仕組みです。紐は一切つけません。二巻きするので締まりもよくて、緩みが心配ということもありません。
今回は帯全体に柄のある「全通柄」で作業が少ない分作るのもラクです。(無地帯も同)
六通柄・お太鼓柄・ポイント柄と呼ばれる柄つけだと、柄出しの位置や範囲が決められてしまうので、テを切り繋げ替える必要があるからです
・・と気にしながら作業に入ります。
二部式作り帯の作り方、全通柄の袋帯編
まずは、タレ先からお太鼓山までの大きさを決めます。私は36㎝に。(自分の体形から、小さくもなく大きくもなく。帯枕の高さを変えるだけでも雰囲気は変わりますね。)いつもの名古屋帯のお太鼓と同じサイズにしました。
この大きさでお太鼓の形を作ってみます。
この大きさでお太鼓の形を作ってみます。
お太鼓を二重にするので、クリップでお太鼓山になるところを挟んで背に当たる部分から2重になるようにします。
お太鼓にし、決め線を折り上げます。ここにテ先が通りますよね。タレ先との柄合わせも大丈夫でした。ちなみに、さっきの青ペンはお太鼓山のわずか向こう側(裏側、背の方)にきています。なんとか見えない位置にきてくれたので大丈夫。
シミの位置によっては、折り上げ部分を短くするとか、切り離した方をタレ先にするとか、二重太鼓じゃなく名古屋帯のお太鼓(一重)にしてしまうとか、色々対処方もあり。
形や大きさはこれでOKだったので裏にして二分割しました。(↓写真では順が逆ですが)
切った端を始末します。名古屋帯ではダーツをとっていましたが、これはただ折り込んで縫い留めました(タレ先側との2枚を縫います)
クリップを外して持ち上げてみます↓横から見るとこうなっています。お太鼓山の下でも縫い留めました。位置的に、ちょうど帯枕が当たる少し下です。
次にテ先を通すところ、折り上げた部分の内側を縫い留めます。お太鼓の決め線の少し上あたりですね。タレ先との柄合わせも再度確認しました。
裏から見たらこの位置。3枚一緒に縫うことになりますね。お太鼓はこれで終了。
次に前帯部分の長さを決めます。胴に背中心から二巻きしてテ先を背中で引き返してお太鼓に通す分量+切った端の始末など縫いしろ分が必要です。
短めの帯といえども、二部式にすると長さが余りました(お太鼓に使う分量にもよる)そのままでもいいのですが余りを折り込むと厚ぼったくなるので切り落としました。これで、手先込みの前帯部分の長さは約238センチ。
半巾に折ってあります。左巻き右巻きどちらでもOK。前帯は胴に二巻きするので、結果的に紐などの付属は必要なくシンプルですし収納もしやすいです。
お太鼓の裏にも、よくある留め具等はありませんので収納しやすいです。※ちなみに今回の二部式帯には厚さが有るので必要ありませんが、こんな小道具丸めた小さなタオルハンカチで対応できます。
お太鼓に横シワがついていますね。元のたたみジワですね。しばらくこの状態のままにしていたら少しはうすくなるかな?そのうち対処しましょう。このままの形で収納できるので今後は変なシワも付かないと思いますよ。
以上で、二部式にしたいと思っていた帯は全て(今のところの考え)完了しました。
これまで「切らない作り帯」も何点か作って実際使って試してきましたが、個人的な好みと使った実感から、上記のような「二部式の作り帯」が一番と決定したわけです。
それでこの数日、切らない作り帯を全部二部式に作り替え、それも全て完了~(^▽^;)近日、在庫管理(笑)の意味も含めて二部式帯オン・パレードいきます。