シミ有りのリメイク用着物~紬の単衣着物を自分で洗ってみた

先日購入したリサイクル大島3枚のうち、写真の2枚を洗いました。シミ有りのリメイク用素材としての着物です(1枚は前々ページで衿汚れを落とし済み)
これまでも、単衣仕立てや袷仕立て、または着物を解いた状態にしてなど、大島(又はそれに似た質感の紬)は何枚も自分で洗ってきました。それらは織物的に自分で洗いやすいしアイロン掛けも比較的にしやすいからです。

ただ、洗う作業そのものは簡単なのですが、アイロン掛けはもともと苦手で正直言って面倒なのです。特に袷仕立ては裏地の胴裏や八掛けの縮みや伸び具合に気を使いますし根気も要ります(私的に 笑)

そんなわけで、
  • 大島系のふだん着物多少の縮みや小ジワくらいは平気なお気軽着物
  • 扱いの楽な単衣仕立て
  • 仕立て替えや仕立て直しリメイク用などに、解いて洗う場合これは袷でもOK。
と、こんなふうに限定しています。

今回はリメイク(生地取り)用の着物なのでヤケもありますし取れないようなシミもあります。即、生地として使うなら解いてから洗う方が効率的ですけど、解くのは何時でも出来るので、まずはこのままで洗うことにしました。

「紬と戯れたい・・」から始まった、これもお遊びのひとつ( ´艸`)いくらかキレイになるかな?

紬(単衣)着物を自分で洗う

使う洗剤

これまで使ってきた洗剤は、コスモドライDX家庭用ドライ洗剤(ドライといっても、クリーニング専門店の溶剤を使うドライとは全く別もの)や、坊ちゃん石鹸 、そしてごく普通の液体洗濯洗剤など(中性洗剤と表記のもののみ)です。

中性洗剤、又は弱酸性の洗剤や石鹸であれば(単純に)どれでも使えると思いました。汚れ落とし力はそんなに強くもないかわりに、洗うものを傷めずに洗いあげるというのが中性や弱酸性の特性だと思います。

最近ネットで知ったのは、シャンプーで洗うということ。考えてみたら絹はタンパク質。髪もタンパク質。弱酸性のシャンプーで絹を洗うのは理に適ってるんじゃない?と納得。

素材的には関係ない話ですけど、実は洗剤を切らしてしまったとき(ありがち)衣類の洗濯にシャンプーを使ったりもしてきましたね(*ノωノ)

ぜひ着物でも実行してみたかったのですが、今使ってるシャンプーにはいろんな効果成分が・・かえってそれが邪魔に思いやめておきました。単純シンプルなシャンプーを買ったときにでもやってみたいです。

結論。今回使った洗剤は、お洒落着洗い(毛・絹・綿・麻・合成繊維用で中性)でよく知られているエマールです。

洗い方(温度や扱い方)

デリケートなお洒落着や繊細なレースなど、大切にしたい衣類を手洗いするのと同じように、着物もその扱いは同じですよね。浸す水の温度、色落ちのことや型崩れ、脱水の仕方など。着物はキセ(縫い目を守るための折り目)が大事ですしね。

とは言っても、生活に着るもので家着ふだん着です。神経質になる必要もないと私は思っています。それを踏まえてのお洗濯です。

エマールを適量溶かした水に畳んだ着物を沈ませしっかり吸水させます。沈め浮かせの押し洗い。水温は30度以上36度位までを目安にしていますが、実際温度計で計ると30度丁度でした。

この季節では手をつけた時けっこう温かく感じます。(体感温度は季節によっても変わりますよね)
シミが新しければ、そこに目印(まあるく糸で縫い囲む)し柔らかいブラシなどでポイント洗いしますが、時間が経ち変色したシミや色焼けしたこの着物にはムダでしょう。

布が重なった衿や縫い代にもしっかり吸水させながら押し洗い。全体的な薄汚れが落ちれば十分で、10分も浸していないです。

想像していたよりも水の濁りが少ない感じ。色滲みも思っていたほどじゃなく、全体的にしみ込んだ埃汚れ程度です。

多少本格的にしたいなら・・専門店の洗い張り作業を真似て、固形石鹸で柔らかめのブラシを使い優しく丁寧に根気よく(笑)洗うと、シミも薄くなるかもしれませんね。
3回水を替えすすぎました。ゆらし洗い押し洗いで。
畳んだまま軽く水を切り(ギュッとは絞らず)洗濯ネットに入れて弱で脱水オン。回転し始めて5、6秒でオフしました。(この洗濯機はしっかり回転するまで3回ほど助走(?)回転します)あまり長く脱水するのは強いシワのもと~
花唐草柄の大島も同じ要領で洗いましたが、最初の大島と違って色が白地なので、柄の色がにじんできた場合リメイク用とはいえ白地への色移りはなるべくなら避けたいなと思っていました。

が、洗濯水はほんのわずかな(上の大島より水が汚れなく)濁り程度。色のにじみもありませんでした♪シミのポイント洗いは試しにしてみましたが効果なしでした。

洗い張りならもっときれいになる

後日談ですがここから数年後にリメイク用としてお譲りしたところ、その方はこの着物を解いて反物状態にし、ブラシなどを用いてしっかり洗うと更にシミも薄れ驚くほど綺麗になったとのことでした。

「洗い」より難しくて面倒?な「アイロン掛け」

洗い終わった順に着物用の袖先まで掛けられるハンガーに、袖付けのキセに注意しながら掛けました。
型崩れしないように扱いながら、縫い目のわずかな縮みを縦の縫い目なら縦に、横の縫い目なら横にと、軽く引っ張るようにし伸ばしました。
半渇きのうちに(渇ききったらシワが伸びにくい)中温で裏からアイロン。気持ちアイロンを持ち上げ気味で滑らしてます。こすり掛けはしない。

糸が多少つっていたので、やはり縫い目を軽く引っ張りながら。大事なキセは伸ばしてしまわないよう又は逆向きにならないように。衿先や裾が歪まないようにも注意して掛けました。

リメイク用ということもあり手を抜いて当て布をしたりしなかったり。というのも個人的なこれまでの経験判断で、けっこう大島は大丈夫なんですよね。裏面からですし。

何度も同じところを往復しないこととアイロンを押し付けて掛けないことが大事。それはうっかりするとテカリ(アタリと言うらしい)になってしまうからです。特に布の重なってる部分は当て布をした方が間違いありません。(特に凸凹した部分はアタリが出来やすい)
表からキセを掛ける時でも軽く、当て布もして。
(実際これはしてない。リメイク用との気安さ、ただ押さえる感じでテカリなし 笑笑)

花唐草大島には、上前の裾角にこんなシミがあります。カラーブライト(色柄もの用の漂白剤)でのポイント漂白でも無効果でしたよ。古いからね。
 そして右袖の丸みにも落ちないシミ。グレー色の方の上前おくみ部分にも古ーいシミ。
アイロン後も湿気を飛ばすため丸一日ハンガーに掛けておきました。

自分で洗ってみた感想

洗う前と乾いた後に、両大島の袖のみで縦と横をザックリ測ってみました。縮みの差はほとんどなく、わずか2ミリとか5ミリの差でした。

手触り堪能(^^)つるっとして艶が蘇ってます。ふんわり柔らか。

また、こういうシミありでも使いよう(裏返しや繰り回し、又は別生地との組み合わせ)で十分着られる着物に再度の仕立て替えも出来ますよね。両方とも内揚げ(余りの縫い込み)分もあり。

花唐草のは薄くて柔らかなので仕立て替えには襦袢も可能と思います。黒地の方は平凡ですけどちょっとそこまで・・にも着られる上っ張りとか?

昔では、上手下手はあるものの刺繍や染めまでも家庭でやっていたそう。洗い張りや仕立て直しの縫い事は当たり前で、汚れた部分や全体に染を掛けたりもして、普段着やお洒落着の数限られた中でお洒落を楽しんでいたと知りました。

そこまでは出来ないし気持ちもないけれど(*^^)、古くて着込まれたシミありでも、好きな織りや柄ならどうにかでも活かせたら嬉しい。

さて、とりあえず素材はキレイになったので先の行方をゆっくり考えていこうと思います。

小耳話 

反物から初めて仕立てる前の工程で、しっかりと湯通し(糊落とし)された紬は縮み度も少ないものらしい。紬に限らず、襦袢から小紋まで自分で洗ってる人は一度水にくぐらせそれ以上縮まないようにしてから仕立てているとな。


カテゴリ、着物類、和装用品のクリーニング に着物洗いの失敗談も有り。