切らない作り帯⑴マジックテープ付きのワンタッチ帯実験作成

なんか、半幅帯が欲しいな・・とここ最近思ってて。

だけども、よっぽど気に入ったもの見てるだけで触れるだけでココロ踊るもの意外は・・やっぱりいらないなぁとも思って。取りあえず物も増やしたくないから出会いの時までさておいてと。

ならば、もう使いそうもない名古屋帯を半幅帯にリメイクしようと思い立つ。一番たやすいのが木綿の帯だねと、長さを計り余分を切り落とそうとしたときに・・おや?カジュアルな帯なら「作り帯」にしてあげたら踊りの稽古にもパパッと締めて気楽に使ってあげられそうじゃない?と気が変わり持っていたハサミを置きました。

お太鼓ってホントにしなくて半幅ばかり。今では踊り関係の時くらいしか着物を着なくなってるのでよけいです。これが上手くいったら「作り帯」をもっと増やそうかなと、どんどん初めの考えが変わっていきました。
畳んだ状態の型染の名古屋帯、綿紬です。まず、タレが長い分前帯が短かったので三角部分をタレの方へつまみ直し前帯を長くしました。

一応、帯自体の長さを計ってみると340㎝くらい。昔のだから短めですね。(近年作った名古屋帯は確か370㎝くらいだったかな?)

二部式よりもっと簡単で楽な「作り帯」の作り方

どうせなら二部式ではなく、太鼓と前帯が完全に一体化したワンタッチ(笑)で着装できる作り帯にします。二部式よりもーっと楽で簡単というのが今回のキモ!

体に巻く際の紐はわずらわしいので、思い切ってマジックテープ(また上手いこと裁縫箱に有ったのよコレが)にします。これぞワンタッチだよね。

長い前帯を輪にして手先を三角の下に置きますが、お太鼓の「テ」になるのでそれを見越した長さを右に取っておく。左側は前帯部分、端が輪になっています(これで通常帯の、二巻きした状態になる)  

注1 「タレ」太鼓部分は裏の状態です。注2 右回り左回りどちらでも同じやり方。これは右回り
お太鼓の形を作ります。一番下に見えるのが「テ先」次にお太鼓の背に当たる部分、お太鼓の中、余り分(ここに「テ」が入る。で、親指のとこが「タレ先」となっています。
「テ」を入れた状態です。左には輪になった前帯部分。

こういった全通柄は、位置に決まりのあるポイント柄よりは作りやすいのでしょうけど、柄合わせがなかなかいいところに決まらなくて・・こっちを出せば大きくなり過ぎ、こっちに合わせればここが合わずなんてね。

パタンパタンと畳んでいくだけの簡単作り帯なのにお太鼓の柄合わせのとこで数分悩んじゃったわ。
このまま裏返します。(一連の作業をしながらズレないように待ち針を打っています)

胴に巻いてみて長さを確認しました。ちゃんとお太鼓の中心に前帯の巻き終わりがきました。この短めの帯でも余裕の長さでした。これがもっと短い帯だったとしてもお太鼓部分で調節できそう。どうせ縫い付けちゃうんですから形にさえなっていれば(笑)可能じゃない?
マジックテープを待ち針で仮に付けました。着物を傷めないよう帯のきわは避けて。きつめ緩めにと余裕を持たせられるようテープの長さを長めにしました。

胴にくるりと巻いたらマジックテープどうしを合わせればいいだけです。くるっと巻いてピタッと・・・あれ?どっかで聞いたフレーズ。

さてさて、あとは待ち針を外しながら型崩れしないよう、見えない部分の要所要所を縫い留めます。マジックテープはしっかりと縫い付けること。はがす時ベリベリッとけっこう強力なんです。

帯の下線あたりに(帯は下が大事)一か所づつにしてますが様子を見て必要なら上部にも縫い付けるかもしれません。

気になる部分として

1 適当にお太鼓の形をつくったけど、枕をしての大きさは(縦の長さ)大丈夫かどうか。
2 この状態ではお太鼓の山が四角張ってるけど、着装したときには緩やかに丸みをおびてくれるかどうか。
3 帯枕の安定感。枕をのせる台もしくは代用が無くてもお太鼓がズレ下がってこないかどうか。

さて、出来上がりはいかに。失敗なら解体(笑)して、それこそ半幅帯にしてあげます。

前から気になっていたワンタッチ帯、こちらを参考にしました。帯を傷めないための丁寧なワザの理由が、自分で作ってみてなるほどと納得。仕立てに出してこの価格。

あら便利。着物や帯、襦袢や羽織などの畳み方が再確認できる(HP)きもののさが美

続きの記事はこちら→ ⑵ 試着の感想と改善点