短い名古屋帯でも出来た「手先」のみ分割式「角だし」太鼓の作り帯マジックテープ付き

なんとまあ、真っ赤?な帯でしょーっ。好きなんですよねこの感じ。調べてみたけどこの赤は緋色(ひいろ)というのかな?そこに青緑や金銀。色合いやボカシ加減を刺繍(織りだし?)で表現。私は刺繍が大好きなんです。
まんじゅう菊でしょうか?でも菊にこの生命力あふれたブっとい枝って?ちょっと不思議な柄。菊じゃないかもしれませんね。
これも古いもので長さ約350㎝、最近のものより20センチは短い名古屋帯「六通柄」です。近頃は名古屋帯でも400㎝近くあるものもあったりで袋帯並みに長くなっていますよね。

現代女性のモデル並みな高い身長だと、お太鼓も大き目じゃないとバランスが良くないだろうから、結果帯は長くなり・・逆に扱いにくくなったりして。

なんて余計な話はおいといて、、ご覧の通りほんと「赤」いのですが実際締めてみると、こうして単体で見るほどではないのですよ。<着物・帯・小物>で、ひとつにまとまって見えるんでしょうねきっと。「帯に派手なし」って昔からよくきくけどこういうことかもね。

こういう派手目なのは「角だし」で崩すとこの年でもいけるかも?と思って早速手を掛けることにしました。「角だし」って普通、長さが十分にないと出来ませんが作り帯なら出来そうじゃないですか。

で、ハタと「切ったらどうなる?」と思いつきました。(ここ、実際長さ的にも切る必要性はないんです。だけどなぜか切りたい衝動に駆られた・・)

三角の角から胴回り分(私は80㎝×2、右端は輪になってる)と30センチくらい残して躊躇なくハサミをいれました。切り離したのは「手先」分です。「角だし」なので通常のお太鼓の場合よりも長めの「手先」(縫いしろ分も含め)
「タレ」を下におろし、その上にマチ針で端を押さえた「手先」を置き又「タレ」を上に上げる。横からはみ出る分が「角」、その出具合を確認してから「手先」を通した袋状の上端を縫い留め固定しました。(下の写真、黒い線)
(前回のテロテロ袋帯は、試着するとこの中の「手先」が柔らかさと重みで垂れてしまうので「手先」が動かないように2カ所縫い留めました)

この帯はピチッと硬く張りがあるのでその必要はありません。が、上の写真、黄色い点の位置に動いていてちょっとのことでも気にならないようにと、ここでも一応一カ所だけ留めておきました。安心した気持ちで着ていたいものですからね。

手先が帯の結び目から出ているように見えるよう裏から縫い付けました。(まあ、横からじっくりと覗き込まない限りは見る人が見ても気が付かないとは思うけど・・いや気づいてくれてもOKなんだけど)
私の場合、または瘦せ型の人、あるいはお太鼓の決め線にたたみ込みをそんなに取らなくてもいい人だったら、350㎝もあれば手先分を切り離すことはないんですよね。ただ私の好みですね。切ることでちょっと違うんです。これは今まで作ってきて感じたこと。

胴に巻く部分にマジックテープを今度は縦に付けてみましたが、締めてみないとわかりません。これで手持ちのマジックテープは全部使い切ったので今後はどうするかな?
体にひと巻きしマジックテープどうしをくっつけた状態、を下から見たお太鼓側の図。
前回のと同様に「角だし」はあえてタレを固定していません。
タレの決め線部分、このたたみ込み具合が帯の長さを物語る。

ここで思ったのは、どうせ作り帯なら三角のところも切り離しちゃってフラットにし、胴部分に縫い付けてしまえばその分はタレが長くもなるよねと。縫いしろ入れても余裕で10㎝は変わると思う。たかが10㎝されど大きい10㎝。
この帯から、「作り帯・付け帯」に関しての考え方がすっかり変わりました。
さて、今度からはどのようにしようか。

1本目 2本目 3本目 そしてこれと・・とりあえず、納得がいくまでこうして4本の古い帯を「作り帯」にしてきましたが究極はやっぱりここにくるんだなと、自分への答えがまとまりました。

また次回へ。