十日町紬に擦り切れ汚れ防止に「ガロンテープ」オシャレ着物人の工夫のひとワザ

先週はお休みしたので二週間ぶりの踊り稽古でした。4日間も孫たちと一緒に過ごしてなんだか妙な感じ、ボーっとしています。写真までボー・・
着物を着るのに今日は何にも重ねたくなくて、超ラクな中身にしています。

久しぶりに和装ブラも襦袢もなし。たかはしきもの工房さんの満点肌着にステテコと手作りの付け衿だけと、スーパー手抜きに着ました。ブラがない分、胸上にはガーゼタオルを仕込めば衿元はくずれにくいです。

肩や胸、胴の周り、上半身が解放されてとってもラク。紐は1本とベルト付きの帯板。帯もかなり緩めです。そのかわり腰から下はきゅっと締めて(動きも気も引き締まるから)紐は低く腰骨を締め、帯は下線さえ締めれば上部はブカブカでも下がってきません。自分にとって気持ちの良い着方です。
ところで、この着物には、擦り切れ防止の「ガロンテープ」(ガロンレースとも言う)が縫い付けられています。

裾裏の後ろ側って特に擦り切れやすいんですよね。こうしておけば八掛けのお直し(天地替え)もしなくて済むようです。裾や袖口の汚れ防止にもなったりね。(楽天 すりきれ予防!!ガロンレース 緑青色 【ガロンテープ】

そういえば思い出しました。かなり前になりますが、踊り関係でわりと大きな集まりがあった時、同じテーブルに同席した中のお一人にとってもお洒落な方がいらしてね。ご年配の方で直接お話をしたことはないものの、お互いに顔や所属はよく知っていて・・

丁度真向かいのお席で、その方の何気ない仕草でチラチラと見えた袖口・・私気が付いたんですよね。あれはガロンテープ?と思ってジーッとその手元のその動きに視線を向けていると・・
そのうちその方も私の視線に気づいて「ふふ、あなた気が付いたわね」と思ったかどうかは分かりませんが(笑)お隣の人との会話に一区切りつくと驚いたことに席を移動してこちらの席へ来てくれました。

お話の中で教えてくれたのは、専用のガロンテープ(ガロンレース)ではなくて、自分の好きなレースをテープ状にし袖口裏にあしらったというもの。それは着物の裾にも。そして褄先から衿下までぐるっと。(ここまでくるとお洒落!)歩くと裾がひるがえりチラっとレース。人も気が付くか付かないか位の存在と色・・
「決まりなんてないのよ。別に専用のじゃなくてもいいんだし、お洒落で好きに付ければいいのよォ」とのこと。「どうせなら自分が気持よく楽しくなくっちゃねぇ」とも。

それは濃い紫系だったか、細かい縞がグラデーションになった素敵な着物、単衣です。そこに同系色の薄い紫、ラベンダー色のような?繊細なレースが太いテープ状に丁寧に縫い付けられていました。
袖口や裾って汚れやすいんですよね。そこでそのレースだけを外して洗い、また付け直すのだそう。

擦り切れ防止も、汚れ防止も、お洒落に楽しくも、一石三鳥ですね。今はもうお会いすることはないけれど、こういうお洒落な着物夫人が近くにいると楽しいものです。