⑤紬の帯地を頂く|古布の再利用で3wayの二部式名古屋帯を作る、半巾帯(前帯編)

二部式の3way名古屋帯を作る

④紬の帯地を頂く|古布の再利用で3wayの二部式名古屋帯を作るの続き、今度は半幅帯・前帯の部分。これで最後になります。

ちなみに、ここでいう「3wayの二部式名古屋帯」とは
1 リバーシブル
2 名古屋帯(お太鼓、角だしの両方可能)
3 半幅帯(短め、貝ノ口が締めれる程度)
の3種で使えるということです。

リバーシブルの「半幅帯(前帯)」を作る

記事④の「お太鼓」共に、よくあるリバーシブルでも、普通ならばもっと一般的で簡単な方法で作れるところを、結果的にはちょっと面倒な方法になっています。

それは、そもそもの市松帯地の長さが360㎝ということで、「お太鼓」部分に使ったら半幅帯としても使える分の長さが足りないのです。
ですが、足りない分は別布(着物地)で継ぎ足すことでクリア。帯は二巻きするので、ひと巻き目の見えない部分に着物地を継ぎ足します。

ということで、帯芯と着物地と市松それぞれの寸法ですが、
帯芯は、15㎝巾で長さ290㎝。
半幅帯の片面全部は、着物地で巾19㎝(芯をくるむので広い)長さ290㎝+縫い代。
もう片面が市松帯地で、巾15㎝、長さ70㎝+縫い代と長さ150㎝+縫い代の2枚。その継ぎ足し分として着物地で巾15㎝、長さ70㎝+縫い代。
としました。

出来上がりの長さを290㎝としましたが、この帯では「貝ノ口」系や「文庫」しか結ばないので充分な長さです。また、逆に長すぎるとお太鼓をした時にはかえって邪魔になってしまいますし。

手順としては、
1 片面側としての、市松70㎝、着物地70㎝、市松150㎝の順にそれぞれの縫いしろを縫い合わせ一枚にしておく。
次からはお太鼓の要領と同じ。
2 もう片面分の着物地290㎝を、帯芯にくるんで大雑把に縫い付ける。「1」をこの上にかぶせるようにし、端を折り込み芯をくるんだ着物地にクケ縫いで閉じる。
3 手先、タレ先になる端はお太鼓の時と同じく、芯に合わせて市松と着物地を折り込んでクケ縫いしました。
4 当て布しながら都度アイロンで押さえ作業しましたが、仕上げにもアイロン掛けを。

出来上がりは写真の通り、ひと巻き目に別布(着物地)の継ぎがあります。この面の裏側全体は着物地となっています。
以上、これで二部式の3way名古屋帯が出来上がりました。

ちなみに、お太鼓部分は角だし風に使うとしてもこんなに長くなくて(120㎝もある。ちょっと不安で多めにした)OK。100㎝でも十分かと思います。
ほんと、渋い色合いですね。
専用の帯芯じゃなく「紬帯」を代用しているのでその分若干の厚みと重みがあります。
二巻きするので紐がなくても全く緩みませんし、紐がない方が締めるのにも収納にもラクでしょうね。

今回は、初めてな割にちょっと手間のかかる内容だったので頭がクラクラしながらの作業でした(笑)経過の写真も撮り忘れるほど熱中しましたね。

早くこれを締めてみたいです。
最後までおつきあい頂きありがとうございました。

(このシリーズ記事は     と、ここの⑤ページまでです)
この帯の装着イメージ➡紬着物に市松の手作り3way帯