裄丈は合うのになぜ?・・着物と襦袢の肩幅(肩裄幅)違い

昨日の稽古で着た着物ですけども、会場で写すこの時に気が付きました。
矢印を書きましたけど、襦袢の袖が着物から少し出ていますよね。少なくとも1㎝は。
それで、この着物と襦袢の、裄丈違いについて書こうと思いました。

着物と襦袢の「裄丈」の違いについて

襦袢は、身頃がサラシ生地で袖がポリエステルの綸子生地で出来た「うそつき」という二部式襦袢(半襦袢と裾除けに分かれたもの)です。

着ている着物と襦袢の裄丈は丁度良い寸法です。なので何も考えることなく着合わせたのですけども。

裄丈= 肩裄(背中心から肩の袖付けまでの幅)+ 袖裄(袖幅)

ものさしで計ってみるとちゃんと肩幅(背中心から)の寸法は同じでした。なのになぜ?
平置きにして比べてみました。すると確かに・・ズレてますね。どういうこと?
ここで、あーそういうことだったかと気が付きました。

裄丈は、単に背中心から袖口までの長さだけではなかった

それは「衿肩開き」寸法の違い

裄丈=肩裄(背中心から肩の袖付けまでの幅)+袖裄(袖幅)ですけど、そのうえで・・
背中心からの肩幅寸法は同じでも、衿肩開き(背中心からの衿付け寸法)に差があると、衿付け位置からみた肩幅がこんなふうに合わなくなるということです。

裄出し(裄のお直し)がサイズ違いの原因にも

この着物は裄出しをしています。これは元々の反幅がせまく(昔のはほとんどそう)袖幅からは思うように出せませんでした。出した状態でも袖幅は33㎝。わたしだったら34㎝は欲しいところです。

その分まだ裄丈が少し足りないので肩(身頃側)からも出しているのです。←これがポイント!この身頃側から巾を出したことで肩裄が合わなくなったというわけなのです。

ちなみに、なぜそこまでして裄丈を出したいのか?というと・・ただひとつ踊りの稽古のためだけです。踊りの所作のしやすい、しずらいは裄丈によって大きく変わるので。

普段に着るだけなら、十分ではないにしろ袖幅だけの直しでもいいのです。

応急処置とか、専用のうそつき袖とか

肩裄が合わないのはこの際気にしていられない(そりゃぁ合うのが前提)だけれども、振りからははみ出てこないで欲しいですよね?

ありがちなこと、出先で気づいたら着たままでの応急処置として、携帯のお針セット小さな安全ピンなどは助けグッズ。

袖の中側から、着物と襦袢の縫い代丸み近くで一か所止めてしまえば、まずは解決。

で今後はどうするか?

合う襦袢を選ぶのも面倒です。その襦袢に付けてある半衿が気分じゃなかったり合わなかったりもするわけです。(前もっての準備ってほぼしないし)

そんなこんなのわずらわしさが滅入るので、もう専用で「うそつき袖」を縫い付けてしまうということ。

この方法が、余計な気がかりや手間を省くワタシ流のスタイルってわけです。
また、いつも活用してる「うそつき衿・付け衿」はこういうことも防げるのです。